● 立ち止まる 水曜日

一昨年のクリスマスイブ、父が突然星になった。
水曜日だった。
特に病気というわけでもなく、前日まで飲みに行ってたくらい元気で
まさか突然いなくなるなんて想像もしてなかった。
私はと言えば、何かと生意気なことばっかり言って父を困らせ
当時お腹にいる事がわかったばかりの子供の事も
なんとなく恥ずかしがって直接報告できずにいた
後から父が『自分には報告してくれない』と呟いていたと聞いて
自分の愚かさに、情けなさに愕然とした
取り返しのつかない事などないと偉そうに説いていた私に教えてあげたい。
取り返しのつかない事は、確かにあったよ と。
自分の父親の偉大さも知らずに、感謝の言葉ひとつ言えず
一人で育ったような顔をしていた当時の私に。
『ありがとう』はたったの5文字。
憎まれ口や不満はスラスラと口から出て来るのに、たった5文字が言えない愚かな娘を
いつも笑顔で見守ってくれていたのに。
その水曜日を境に、私はちゃんと言葉で伝えようと心に決めている。
いつか言えばいいかじゃダメなのだ。思ったなら今伝えなければ。
恥ずかしくて直接言えないなら、ラブレターを書けばいい。
私のまわりの大好きな人たちにちゃんと伝えよう。
今でもこの事を思うと、喉の奥がきゅーっとしまって
涙が出てくる。
私はいつまで泣くだろう?
いつまでも泣けばいい。忘れないように。
#094 nocchi: 小晴日和 http://ko-haru-biyori.petit.cc/